監督がスローセックスを提唱してのカラミ。
ただ、ましろ杏の持ち味が出ていないような印象があるパートである。
ラストパートは、ラブホでのハメ撮り。旅行での二人の関係の流れや
前パートの反省からか、アナル全開で狂ったように腰を振ったりと
リミッターを解除した猛烈なセックスが展開される。
ましろ杏という女優と言うか個性は、その生い立ちもあるのだろうか
カラミ以外の部分でもテンションの上下が激しく感じられたし、
前作のHMJM作品や光夜蝶での作品を見て、
この女優に違和感を覚えたが、
野外での自炊の食事シーンで、虫が入ったカレーを嫌がったり、
監督が甘えさせてくれないことに、不貞腐れたりと
良くも悪くもましろ杏の素の部分、とりわけ普通の女の子の部分を
見せてくれたのは、よかった。
本作で、彼女への違和感が払拭された感がある。
本作はもちろんAVであり、濡場も堪能できるが、
カンパニー松尾のドキュメント系の作品には、もう一つの側面がある。
叙情的AVの側面であり、ロードムービーを彷彿とさせる側面である。
他のメーカーや監督の作品のようにカラミ一辺倒ではない為、
見る人を選ぶ作品であり、好き嫌いが激しく出るだろうと思われる。
本作もセンチメンタルなニュアンスが、散りばめられている。
題名にある「ESCAPE 」は、作品中では「(現実)逃避」とテロップに訳され
東京から逃げ出す心情が映像化されている。
そして、撮影日が監督の誕生日であり、当初女優とテントで泊まるはずであったが、
結局、テントで一人誕生日の夜をさびしく寝てしまうシーンが映像として
映し出される。45歳になった翌朝、昨晩ましろ杏が作ったカレーを食べた事だけが
逃避=自己満足とテロップされる。
ラストのパートは、
南の島での無邪気なましろ杏と高速を失踪する車からの眺めが
クロスオーバーする下手なPVよりもセンスあるイメージシーンで
締めくくられるが、そこで以下のようなテロップが入る。
「何処かへ行きたかった ここではない何処かへ
けど、手段が間違っていた 君を連れて行くんじゃなかった
いいとか悪いとかじゃなくって 逃げる時はひとりなんだ
誰かを道連れにしちゃいけない
つくづく思う 自分にしか興味がない男だと
誰も守ることも出来ないし 誰の助けも必要としない
そういうしがらみから逃げてきた でも、時にはそれは許されない
2010年の夏は、暑くてつらい夏だった。」
カンパニー松尾が選んだセンスの良いビキニを着て
海辺ではしゃぐ弾けそうな抜群のHカップボディの杏。
激しいセックスシーンとは裏腹に、しんみりしそうな展開であったが、
彼女の明るさが救いになるようなラストシーン であった。
結論的に言うと、抜ける作品である。
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