ゴリとラーのＡＶ放浪記

2014年の夏、本田莉子さんとカンパニー松尾監督が、南の島で魅せる
ハメ撮りドキュメント作品である。

テンション上げまくりの女優さんと監督が、沖縄本島に向かうシーンから始まり、
現地では、ステーキとオリオンビールに舌鼓を打ち、

さらに宮古島へ向かい、リゾートホテルで羽を伸ばし、沖縄料理を堪能したりと
天真爛漫で無邪気にはしゃぐ女優さんが映し出されている。

ハメ撮りは、3パートあり、

女優さんは「見えちゃう」「しゅごい」「やらしい」と監督のお株を奪う
言葉使いをしており、撃てば響く様な言葉のやり取りの応酬、

監督を「マツオ」呼ばわりして、「チンポで死ぬたい」などの名言を吐きながら

時にはジャレ合い、時には、濃厚でドエロなカラミ、
出された精子は全てゴックンする本田さん。

カンパニー松尾監督のいつものハメ撮りとは違ったベクトルで
盛り上がって突っ走るセックス。

女優さんのキャラが強烈に全面に押し出されたセックス。

本田さんは高い性的パフォーマンスを発揮しており、
もちろんカラミは凄くエロい。でも、

こんな事を言えば蹴っ飛ばされるかもしれないが、
素晴らしくデキの良い高度に洗練されたアドリブ漫才の様なセックス。

ドキュメント作品と言っても、セックスパートは別途独立したものになりがちだが、

本作では、カラミでさえもドキュメントの一部を構成するものの様に感じられた。


またドキュメントパートでは、本田さんが「幸せ」と言って泣きながら笑い、

「人との距離は近いけど、気持ちは凄い遠い」と語り、

家族との葛藤と別れ、拠り所は自分だけで、帰る場所はなく、

今の居場所はＡＶですごく満足しているけれど、

もっと居心地の良い場所が見つかった時が引退の時と述べており、

甘えん坊で、優しくて、冷たくて、明るくて、暗い、

彼女のアイデンティティが、心に染みてくる様な錯覚に捉われる。

そして、「全部私のもの～」と叫ぶ本田莉子さんのジャイアニズムの根本が、

なんとなくであるが理解できる。


また、女優さんは那覇を首都と言うくらいの

常識的な面においてはおバカキャラであるが、

カンパニー松尾監督との言葉の駆け引きを見て取るに、

抜群に空気を読んでいるし、頭の回転の速いクレバーな人と言う印象を持った。



多忙を極める女優さんのプチ逃避的な意味合いを持った作品で、

「恥ずかしいカラダ」では語られなかった本田さんのディープな心情が垣間見れる

ドキュメントだから、おもしろいだけの作品じゃない。ないけれど、


僕は、「こいつら、本当に本当に楽しそうだ」と思いました。


最後は、南の島を背景に可愛くも美しい女優さんのイメージシーンが映し出され、

そして、以下のテロップが流れます。


『ずっと女の子でいたい

ずっとしっかりしないままでいたい

素敵なことだと思う

本音だと思う

ずっと一緒にいたい

それは無理だ

ずっと女の子でいたい

それもどうだろう

所詮、僕らはひとりだ

そんなこと君はわかってる

だから求め続ける

ただ、求めるだけでは叶わない

それも君は知っている

いかに人を許すか

それだけのことが僕らは出来ない』






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